新築の注文住宅は建売と違い、ゼロから全て考えないといけないので、決めることがとても多く正直大変です。
しかし人生に一度の高い買い物なので、後悔しないよう時間をかけてじっくり決めていけば、満足感はとても高く愛着もより湧いてくることは間違いありません。
ここでは、注文住宅の計画から準備、完成&引渡しまでスムーズに進めるために、事前に考えておきたい決めることリストをご紹介します。
契約前の準備期間に決めること
注文住宅の契約の前に決めることをご紹介します。
予算やローンのこと
予算を決めて、住宅ローンの準備をします。
ハウスメーカーや工務店に行く前に、住宅ローンでどくれくらい借りられるかを各金融機関のホームページなどにあるシミュレーターで借入シミュレーションをして確認し、事前審査(仮審査)に申し込みます。
事前審査の審査期間はだいたい1週間以内、審査結果が異なることもあるので、スムーズに進めるためには複数の金融機関に申し込むんでおくといいでしょう。
住宅ローンの申し込み先の金融機関は、銀行や信用金庫、労働金庫の他、自営業(個人事業主)の方でも審査に通りやすい住宅支援機構やJAバンクなどがあります。
土地探し
後悔しても建てた後ではどうにもならない、土地探しはとても重要。
次に土地を決めるポイントをご紹介します。
住みたいエリアと環境
最寄駅や学校、スーパー、公園までの距離、交通量、町内の雰囲気など近隣の環境をチェックして下さい。
学校や公園が近いと小さなお子さんがいる方はとても便利ですが、あまり近過ぎると、子供の声がうるさかったりボールが家に飛ん込んできたり、風の強い日に砂埃で窓を開けられない、洗濯物を外の干せないなどのデメリットもあります。
接道や近隣の道路が車の抜け道になっていて、交通量が多い場合も意外とホコリが多かったり騒音が気になることもあります。
見通しが良く明るい雰囲気の道路でも夜になると街灯もなく暗くて防犯面で不安ということもあります。
土地の大きさ
土地が大きくなると当然費用も高くなるので、車1台停められる駐車スペースがあれば大きな庭は要らないと思っていても、子供やペットなどの家族が増えたり、車を買い換えたりすると、もう少し庭を広くとっておけば良かったなんてことになります。
注文住宅の平均的な土地の広さは約60坪程度です。
60坪程度の土地であれば、何とか3LDK程度の間取りに駐車スペース2~3台分、ちょっとした園芸ができるような小さめの庭を確保するようなプランが可能でしょう。
65坪以上になると4LDKの間取りも可能になり、日当たりのことや採光などを取り入れる方法に余裕が出てきます。
逆に広さが40坪台の狭い土地の場合、駐車スペースは1台分が限度ですので、1階部分をインナーガレージにするなどの工夫が必要です。
土地が狭くなると注文住宅のプランにもいろいろ制限が出てくるため工夫が必要ですが、土地が狭い分、土地代や建築費用も抑えられ、固定資産税や都市計画税も抑えられます。
土地の現状
前面道路の幅や交通量の確認、接道や隣の家の土地との高低差、前面道路に上下水道が通っているか、電柱があるか、日当たりは良いか確認しましょう。
敷地内に水道管が引き込まれてない場合、水道本管から敷地内まで配管する工事が必要ですが、前面道路が県道や国道などの大きな幹線道路の場合は高額になるため注意してください。
ガレージなどでコンクリートが敷かれている場合や井戸などの構造物がある場合、空き地で草木などが茂っている場合は、解体や伐採伐根などの費用がかかります。
また、埋立地や近隣に川や池、沼などがある場合、傾斜地や高低差のある土地は地盤改良工事が必要になる場合があります。
地盤改良工事には数十万円かかるので、事前に地盤を調べておきましょう。
また、その土地の役所などでハザードマップがあれば、洪水による水没や津波、土砂崩れなどの災害の危険性が高くないかも確認しておくといいでしょう。
下記のジャパンホームシールド株式会社のHPでも地盤や浸水のリスクを調べることができます。
ジャパンホームシールド株式会社のHP
また、場所により建築できない場所やすぐに建てることができない場所もあるのであわせて確認しておきましょう。
既に土地がある場合
自分所有の土地が既にあり、そこに注文住宅を建てたい場合は土地探しは必要ありません。
使用貸借にするか贈与にするか決めておきましょう。
施工会社を決める
ハウスメーカーや工務店などの施工会社を探します。
施工会社を選ぶポイントは見た目だけでなく、構造や性能、保証などもしっかりしているか確認します。工務店の見学や資料請求をして、こだわりや強みを比較してみましょう。
信頼できる施工会社が見つかれば、仮契約して前述の土地探しを施工会社に相談してもかまいません。
土地が決まれば、施工会社にプランニングを依頼、見積もりを出してもらいましょう。ある程度の希望や間取りを決めておくとスムーズでファーストプランの質も上がります。
また、相見積もりをする場合は必ず施工会社に「相見積もり」であることを伝える必要があります。
見積もりの内容に問題がなければ施工会社を決定します。
間取りや完成イメージの決め方
間取りや部屋数を決めます。家族構成に合った部屋数で、家族の生活動線を意識、ライフステージの変化に対応できたり土地の形状をいかした間取りを検討するといいでしょう。
ハウスメーカーや工務店のホームページ、インスタグラムやピンタレストといった写真共有サービス、インテリア雑誌などの画像を参考にイメージしてもいいでしょう。
建物の形をシンプルにする、部屋数を少なくする、スキップフロアを採用しない、吹き抜けを採用しない、対面式キッチンではなく壁付きキッチンを選ぶ、風の流れを確認しながら窓を少なくする、水廻りの位置をまとめる、和室を作らない、バルコニーを広くとらずに1箇所にする。
本契約から着工までに決めること
本契約後は施工会社と外装や内装、設備など詳細な設計を決めていきます。
事前に完成までのスケジュールと打ち合わせは何回程度あるのかを確認しておきましょう。
内装、設備
壁紙や床材、建具、キッチン、洗面台、バス、トイレ、窓、収納棚、コンセントの位置、照明、食器乾燥機、浴室乾燥機、給湯器、太陽光発電システムなどを決めていきます。
意外と後悔するのがコンセントの数が少ないことです。
実際に生活してみコンセントの数が足りなかったり、家具でコンセントが隠れてしまったりして不便に感じることがあります。コンセントの位置や数は、施工会社とよく相談して決めましょう。
外装、外構
外壁や屋根、玄関ドア、塀やフェンス、郵便ポスト、インターホン、駐車スペース、庭などの仕様を決めていきます。
外壁の色を好きな色で決めてしまって周りと調和せずに浮いてしまうと、防犯上も良くない上、周囲からクレームがくる場合もあるため注意してください。
また汚れが目立たないことや、耐久性、メンテナンス性も考慮して素材や色を選ぶようにしましょう。
オープン外構にする、できる箇所はDIYする。
住宅ローンの本審査
注文住宅の仕様が決まったら、金融機関に本審査の申し込みをします。
本審査は完了するまでにだいたい2~3週間程度かかります。
工事前に近隣の挨拶
基本的に両隣、向い、裏、斜め向いのお宅には挨拶しておきます。工事車両の出入りや騒音などで迷惑のかかりそうなお宅があればそちらにも挨拶しておきましょう。
地鎮祭や上棟式を行うか
工事の安全と完成をお祈りする地鎮祭や建物の完成を祈願する上棟式を決めます。
地鎮祭は工事中や住み始めてからの安全や厄払いを祈願する神事。お願いする神社や作法、日取りや費用など施工会社に確認しましょう。
建物の骨組みが出来上がるタイミングで行われる上棟式は最近では行わない場合もありますが、家作りにかかわる職人さんたちに労いを感謝する意味があるため、行う場合は日取りや費用を施工会社に確認、職人さんの人数や差し入れ、ご祝儀などしていただくことが多いです。
着工から完成までに決めること
構造や工法によっても変わりますが、注文住宅の工事期間は一般的な木造住宅であれば約4~5ヶ月程度。
本契約から完成、引渡しまでの期間は約7~8ヶ月です。
その間に決めることややることは、下記になります。
- 家具や家電の準備
- 火災保険の準備
- 完成後の立会い確認
- 引越し後の近隣への挨拶
- 引渡し日に応じて、引越し日を決める
- 引越しの準備
- 現在の住居の解約準備
- 電気、水道、ガス、インターネットなどの契約
- 役所に住民票を届ける。保険・免許証などの住所変更
決めることリストで失敗しないためのポイント
注文住宅を建てて失敗した、とならないためにはまず「焦らないこと」です。
早く新築の家に引越して快適な生活をしたい、子供の入学や入園に間に合うようにしたい、などの都合はあるかもしれません。
しかし、注文住宅の建つまでの期間は最短でも半年、長くて15ヶ月程度と言われているので余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
また、前述のように注文住宅が建つまでには、数多くのことを決めなくてはいけないので、最初のうちは楽しくても、だんだん決めるのに疲れて面倒に感じてくることもあります。
そんな時は一気に決めてしまおうとせずに、焦らず時間をかけて決めていくようにしましょう。
また、「ここは絶対コレ!」というようなこだわりが強すぎると、同居する家族とケンカになったり、決めることに苦痛を感じることもあります。
自分なりの100点を目指すのではなく、好みを数パターン持つように心がけることも、楽しくスムーズにプランを決定していけるためのポイントです。
弊社「栄」は、お客様に最適な注文住宅をご提案します
注文住宅を建てて良かったと感じることは「信頼できる工務店と巡り合えたこと」というお声を弊社でもよく頂きます。
中には注文住宅って決めることが多くて大変だな、と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、弊社ではお客様の負担ができるだけなくなるよう努めています。
決めることリストの細かい部分は弊社にてご提案、全てをお客様自身が一から決めていただく必要はございませんのでご安心ください。
デメリットやメンテナンスコストなどについても一つ一つ丁寧にご説明させていただき、お客様の心配や不安がなくなるよう心がけています。
また、より的確な空間のコーディネートやスタイリングのサポートをさせて頂くために、家づくりに直接関係のないお客様の好きなことや趣味、将来の希望など、たくさんのお話をお聞かせ頂きます。
最低限決めておきたいことやチェックしておきたいことを下記に弊社「栄の決めることリスト」として掲載させていただきます。
住むほどに想いのつのる家づくり「栄の決めることリスト」
●契約前
<住宅ローン>
・借入先
( )
・借入目安
( )
<土地> 優先順位
・金額
( )
・エリア
( )
・駐車台数
( )
・家の規模
( 平屋 / 2階建て )
・景観
( )
・日当たり
( )
・最寄施設など
( )
<間取り>
・暮らし方のイメージ
( )
・部屋数
( )
・規模
( )
・開口
( )
・重視すること
( )
●契約後
・配置
( )
・外装
( )
・電気配線
( )
・設備
( )
・内装
( )
・細かな造作(ニッチ・棚・壁面天井面の加工など)
( )
・借入銀行
( )
・境界フェンス
( )
・車庫
( )
・植栽
( )
・アプローチ
( )
・地鎮祭依頼先
( )
●完成まで
・家具/家電
( )
・インターネット契約会社
( )
・火災保険
( )
・引越し業者
( )
・引越し後の近隣への挨拶
( )
その他の細かい部分についてはご来店いただきた際にアドバイスさせていただきますのでお気軽にご相談下さい。
2014年に一級建築士を取得、「株式会社 栄」の代表取締役として主に京都・滋賀にて街づくりに携わっています。
株式会社栄は昭和33年の創業時、大工を数人抱える工務店から始まり、地域の皆様の応援から、現在までに土木・不動産部門を用する総合建築会社として形を変えてきました。
長年培った技術と知識から、暮らしの本質を見極めた空間・デザイン・素材を追求、注文住宅についての役立つ情報をお届けしていきます。