スタッフブログ

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散り

散り

建築の中で、かかすことができない納まりの一種。

壁と柱や、扉の枠(縁)と壁がぶつかる取合いにできる

ちいさな段差のこと。

わずかに壁より飛び出たところの寸法に関してよく話がされる。

 

住宅の設計をしているとそういうところがよくある。

普段気にすることはないかもしれないけど、

ミリ単位で変わるその「散り」によって、

空間の美しさがより引き締まって見える。

散りは、建物によってバラバラであることが多く

なるべく散りを作らず、シャープに軽快な感じに仕上げることもあれば、

大きく散りを設けることで、重厚感を生み出すこともできる

ぼくが好きなのは、12㎜

とにもかくにも、12㎜

それと、その半分の6㎜

これも、ちょこちょこ使う

 

この寸法感が、ぼくは好きで、見ていると何故かうっとりしてしまう。

これが15㎜になってしまうと、ちょっとゴツゴツしい感じが生まれる。

本当に不思議だ。

かといって、

散りが無いのも、そんなに好きではない。

人間技で、0㎜というのは、とても難しいので、

少なからずズレが、見えてしまう。

だから、0㎜は、あまりおすすめしない。

もっと、細部の美しさを際立たせられることができればなと思う。

こういうミリ単位のことは、こちら側に一任されることが大半なので、

いわば、散りは、設計者が、自分の個性を主張できる場でもある。

なので、ぼくの想い描く、美しい散りをこれからももっともっと作ってい

けるように

日々の努力を重ねよう

 

住むほどに想いがつのる家を夢にみながら

Uemura