人体になじむ
2021.11.17
人間の体には、自分たちが生活するうえで、体にフィットする寸法がある。
例えば、キッチンの高さ。
キッチンの前に立って作業をするときの楽な高さが、
身長をベースに割り出されている。
日本人女性の平均身長が約156㎝といわれており
頭のてっぺんから肩の長さが約31㎝。
肩からひじにかけての長さが約25㎝。
156㎝−(31㎝+25㎝)=100㎝となる。
これが、小学校の整列時のように「小さく前に倣え」をしたときの人間の寸法
そのまま、キッチン前に立って作業をしては、肩が凝ってしまうので、
ひじから指先までを、だらんと垂らした自然な長さが、15㎝ほど
そうすると、85㎝となる。
この85㎝という寸法が、人間がキッチンの前に立ち
楽に、自然に作業がしやすい寸法の指針の一つとなっている。
このような寸法が、暮らしの中で、ありとあらゆる所に存在する。
人間の体をベースとして、壁の高さ、家の高さ、通路幅などは、決まっていき
家の高さや大きさが決まってくる。
この人間の体に基づき、空間を造り出すために用いられるの黄金比に「モデュロール」という指針がある
近代を代表とする世界的に有名な3大建築家のひとりである「ル・コルビジェ」
彼が編み出した、「モデュロール」は、人体における数学的比率を図と数式によって表したもので、
それを使うことによって、設計における寸法の取り方が容易になり、
世界中の建築家に大きな影響を与えた。
彼は、
「建築や、その他の機械の設計に普遍的に適用できる、人体の寸法に合わせて調和した寸法の範囲」
と表している。
ぼくは、学生時代から、ル・コルビジェという人がいてその人がただ漠然とすごいということは
知っていたが、
最近になってやっとその偉大さがわかってきた気がする。
次回にかけて、この人間の寸法について
話していきたいと考えています。
きょうはここまで。。。
今日も、
住むほどに想いがつのる家を夢にみながら
Uemura